最近、自分が本気になれるコンサルティングの仕事って何だろう?と考えます。
「別に好きそうな仕事を楽しそうに出来てるじゃないですか?」とか、「そんな事を言っても、現実は目の前にあるクライアントとか、仕事に対して頑張ればいいんじゃないの?」とか言われるかもしれません。部分的には正解ですし、反論する気もあまりありません。
でも、「何かが違う」というような漠然とした思いがここ2年くらい(特に転職してからですね)あって、それが何なのかを結構真剣に考えているわけです。ときには信頼できる知人と機会を見つけてこの類のディスカッションをすることもあります。
それで出た一応の答えは、「クライアント(または社会)に本当に喜ばれることをしていないからではないか?」ということです。
コンサルティングの契約の仕組みは、つまるところコピー機をリースで貸したり、オフィスの掃除をしたりする業者と大差ありません。
どういうことかと言うと、「リソースを貸す(コンサルタント何名を何ヶ月間アサインする)というサービスに対して、事前にその対価(お金ですね)を支払ってもらう契約を行なう」訳です。サービスの内容がコンサルティングというだけであって、それがオフィスの清掃やコピー機のリースであっても、大きく変わることはありません。要するにクライアントに頭を下げる「ベンダー」なんですね。
この「ベンダー」であるという事実は否定したくても出来ないもので、クライアントである会社に何らかの取り組みがあって、その取り組みの内容が予め具体的になっていればいるほど、それに対するコンサルティング会社のサービスは「ベンダー」然としてきます。
例えばSAPやオラクルなどのシステム構築のプロジェクトがその最たるものですね。クライアントが「このシステムをいつまでに構築したい」という要求に対して、できるだけ安く見積をしてそのシステムの専門知識に長けたコンサルタントを多くアサイン(派遣)して、問題が増えすぎてプロジェクトが遅延したり、クライアントの要求するシステムの仕組みからかけ離れないように試行錯誤するというのが、この世界の多くの「コンサルティング」と呼ばれている人たちの仕事です。これを読んでいる人の多くは同業のはずなので、分かると思います。(もちろん、システム構築以外の仕事に携わっている人が多いのも理解しています)
そのシステムが定められた期間どおりに稼働できたり、使い勝手が良いシステムを構築できれば、確かに「IT部門」などと呼ばれるクライアントからは喜ばれるかもしれません。でも本当に会社の利益を考えたときに、私たちの視点がそこにあってはいけないと思います。「IT部門」に感謝されて満足する人は、「コンサルタント」ではなく「システムエンジニア」であるべきだと思うわけです。
それは「システム構築」という仕事の限界を示しています。例えば、導入するとクライアントの利益が上がったり、顧客満足度が向上したりするシステムがあれば、コンサルタントはそれを積極的に推進するべきかも分かりません。ただ、SAPやオラクルは決してそういう類のシステムではありませんね。それだけでなく、ERPパッケージ全般がそもそもバックオフィス業務の効率化を目的としたものである以上、それらが利益の向上に直接的に関係することは期待できないわけです。ERPパッケージの導入はあくまでもコストセンターに対するサービスの提供であって、プロフィットセンターの領域には踏み込めません。そこに本来の「コンサルティング」がするべき仕事と実際にしている取り組みとのギャップがあると考えるわけです。
そして、それこそが私の中にある違和感の原因だと考えたということです。クライアントのプロフィットセンターに対する有効なサービスこそが本来的にコンサルティングと呼ばれる人たちが取り組むべき仕事なのではないか?と考えるのです。
例えば、システム構築の仕事でも、Amazonのウェブサイトに対してレイアウトや検索方法、商品の表示方法に何らかの改修を加えて、より受注量を増やせれば会社の利益は増えるわけで、システム構築の仕事を否定しているのではありません。システムがこれだけ世の中に溢れている以上、よりそれを使いやすくしようとする専門家の集団が入ることは社会のニーズに合致していると考えてもいます。
それがシステム構築でも業務改革でも、コンサルティングのサービスにより利益の増加や企業価値が上がった結果、その対価としてコンサルタントの働きに対するフィーをクライアントから受け取ることが出来てはじめて、コンサルティングが「ベンダー」の領域を外れることが出来るのではないか、と(現実を考えると難しいですが)考えます。
以前の私は、仮にERPパッケージ導入の仕事であっても、現場のユーザの満足を肌で感じられるポジションにいたから、そうしたコンサルティングの限界といえるようなジレンマを感じずにいられたのだと思います。しかしながら、もうそういうポジションにいないですし、それを理解してしまった以上は、「ベンダー」然とした今の仕事を続けることに意味があるんだろうか?と真面目に考えてしまいます。
一方で、すぐに起業して自分が理想とするコンサルティング会社を立ち上げるほどの資産も技量も人脈も持ち合わせていない以上、残念ながら私には何らかのコンサルティング会社に所属してサラリーをもらうことを必要としています。
ただし、何らかの縁でこの業界に入って、ある程度の適性がことも分かりましたし、少なくともこの業界で仕事をして行こうと思っているからこそ、今の自分が置かれている環境を変えなくては、と真剣に考えています。これからは、どこのコンサルティング会社に自分がいたとしても、できるだけ「ベンダー」的ではないコンサルティングの仕事が出来るよう自ら機会を作って努力をしていきたいですね。
投稿者
yt
on
Friday, August 27, 2010
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From TOKYO
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